南海トラフ巨大地震の被害想定が13年ぶりに見直され、政府の作業部会が31日、最大で29万8千人が死亡するとの推計結果を公表した。深刻な被災地は同トラフに近い東海地方以西だが、最大震度6弱が予想される関東も被害が大きく、最悪のケースでは神奈川県を中心に6千人以上の犠牲が見込まれた。ただ、首都圏の死者は津波が主因で、迅速な避難行動で被害を減らせるとした。
関東1都6県の死者が最悪となるのは冬の深夜に発生するケースで、計約6300人に上る。都県別の内訳では、神奈川が3100人で最も多く、千葉1800人、東京1400人、茨城10人などとなった。ただ神奈川では、深夜の発生でも地震から10分以内に避難を開始すれば、死者をゼロに抑えることが可能とみている。