大阪・関西万博の会場内で6日、引火すれば爆発のおそれがある濃度のメタンガスが検知され、日本国際博覧会協会は7日、現場を報道陣に公開した。メタンガスは、会場西側のグリーンワールド(GW)工区にある電気設備の地下ピット(空間)で検知された。
万博協会によると、6日午後4時半ごろ、ピットを保護するマンホール内で、引火すれば爆発を起こしうる最低濃度(5vol%)を超えるメタンガスを検知した。消防などが周囲20メートル四方の範囲で立ち入りを規制し、マンホールのふたを開けて換気したところ、30分後に、労働安全衛生規則で定める基準値(1・5vol%)を下回った。6日朝に測定した時には検知されなかった。
会場の人工島・夢洲(ゆめしま)は埋め立て地で、一部は廃棄物で造成された場所があり、可燃性のメタンガスが発生している。GW工区内では2024年3月、トイレ床下の配管ピットにメタンガスがたまり、爆発事故が発生。万博協会が32億円を投じ、換気装置を設置するなどの対策を進めていた。
万博協会は今後、さらに換気を強化するため、マンホールのふたを常に開け、人が立ち入らないよう柵を設ける。また、メタンガスを測定する頻度を毎日1回から3回に、場所も2カ所から7カ所に増やす。万博協会の高科淳副事務総長は「本番に向けて追加の対策が必要であれば、しっかりと対応したい」と述べた。
一方、6日にメタンガスの検知に気付き、消防に通報した大阪府守口市の寺本健太市議(共産党)が7日、毎日新聞の取材に応じた。寺本市議は元消防士で、現場付近にキッチンカーがあったと証言した。寺本市議は「誰かがコンセントの抜き差しをして火花が散ったり、火のついたたばこを投げ入れたりしたら、非常に危険だった」と話した。
寺本市議は6日、万博のテストラン(リハーサル)に参加。自ら借りた検知器を持参して会場内を視察していた午後3時ごろ、GW工区のマンホールの近くでメタンガスを検知した。その後、会場内のスタッフや防災センターへ報告したが、速やかな対応がなく、午後4時に消防へ通報した。
万博協会が6日朝に現場で測定した時は、メタンガスは検知されなかったことから、寺本市議は「短時間で濃度が上昇するほど、多くのメタンガスが出ていることになる」と危惧した。【岡崎英遠、面川美栄】