同性婚訴訟 大阪高裁の判決を不服として原告側が上告「憲法違反とする最高裁の統一的な判断を勝ち取る」

同性婚が法律で認められないのは憲法違反として、同性カップルが国に賠償を求めている裁判。大阪高裁の、憲法違反と判断したものの賠償の訴えを退けた判決を不服として、原告側が上告しました。
◇「同性婚認めないのは憲法違反」と国提訴も…一審は”合憲”判断
香川県や京都府などに住む同性カップル3組は、「民法や戸籍法などで同性婚が認められないのは『法の下の平等』を保障する憲法14条1項と、『婚姻の自由』を定めた24条1項、『個人の尊厳』と『両性の本質的平等』を定めた24条2項に違反する」として、国に対し1人あたり100万円の損害賠償を求めています。
一審の大阪地裁は2022年6月、「社会状況の変化によっては同性カップルに関する何らの法的措置も取られない立法不作為が、将来的に違憲となる可能性がある」と指摘しました。
一方で、憲法24条の婚姻は男女間の関係のみを定めたもので、同性婚を禁止してはいないものの、同性婚を含んでいないと認定。
「同性カップルが受ける不利益は他の制度で相当程度解消されている」として法の下の平等を定める14条1項にも違反せず”合憲”と判断して訴えを退けました。
◇二審は逆転で”憲法違反”しかし賠償の訴えは退ける
原告が控訴して、今年3月25日、大阪高裁が判断しました。同性婚を認めないのは「同性カップルの人格的利益を著しく損い不合理な差別を生む」と指摘。
「同性カップルのみ、法律婚以外の制度を設けると新たな差別を生む危惧がぬぐえない」として、法の下の平等などを定めた”憲法に反する”と認め、一審の判断を覆しました。
一方、「最高裁の統一判断が示されておらず、現時点では立法不作為が違法とはいえない」などとして、賠償の訴えは退けていました。
◇原告側が上告「早急な立法解決を実現することを目標」
原告側の弁護団は4月7日、この二審判決を不服として最高裁に上告したということです。
弁護団は、二審判決が同性婚を認めないことを”憲法違反”と判断したことなどについては高く評価した一方、「”憲法違反”とする最高裁の統一的な判断を勝ち取ること、早急な立法解決を実現することを目標に最高裁の審理に臨む」としています。
同様の裁判をめぐっては、大阪高裁を含む5件の二審判決がすべて”憲法違反”と判断していて、今後、最高裁の判断が注目されます。