福岡・田川市長、女性のセクハラ訴えに「反省」と謝罪 辞任は否定

福岡県田川市の村上卓哉市長が公務出張先でホテルの自室に招き入れた部下の女性職員(休職中)からセクハラ被害を訴えられている問題で、田川市議会は全員協議会を10日開き、市の執行部の見解をただした。村上市長は「この件で心痛めた全ての皆さんにおわびします」と述べる一方、改めて辞職を否定した。
村上市長はこの職員と「不倫関係にあった」と説明している。
この問題を巡っては、職員の代理人弁護士が3月31日、市公平委員会に第三者調査委員会設置などを求める措置を要求。女性職員は「継続的なセクハラに遭っていた。絶対的権限を持っている市長に対して、対抗できる手段はなかった」と主張している。
村上市長は全員協議会で、第三者委の設置を求める勧告がなされた場合に設置を検討し、調査には真摯(しんし)に対応をすると説明。女性側が求める首長ら特別職も対象としたハラスメント対策条例案の議会提案についても検討していく考えを示した。
また女性側が村上市長との関係について「同意はあったものの、強いられた関係だった」と主張していることについては、「私自身の立場の重さ、相手の感じる圧力について想像力が欠けていたことは否めない。私の認識の甘さが招いた結果であり、大いに反省すべきだ」と述べた。
また、村上市長自らが女性職員に対し「秘書になってほしい」と要請したのではないかとの質問について、「そのような発言をしたとすれば、業務上、(女性職員が)信頼できるから」と認めたが、情実人事にあたるとの指摘を改めて否定した。
会合後、村上市長は取材に「今後の調査には誠意を持って対応していきたい。即刻辞任することは考えていない」と述べた。【出来祥寿】