奈良市で学校のグラウンドに落雷があり、中学生2人が重体となっている事故で、2人のうち1人の意識が回復したことがわかりました。
4月10日午後6時前、奈良市にある帝塚山学園のグラウンドに雷が落ち、サッカー部の男子中学生2人が意識不明の重体でした。その後、重体だった男子中学生のうち1人の意識が回復したということです。
帝塚山学園の顧問の教諭らはこれまでの警察の聞き取りに対し「雨脚が強くなって練習を中断しようか検討していたところ、いきなりドンと大きな音が鳴って落雷があった」と話していたということです。
12日に学校側は会見を開きました。その際、学校側は「校内で起きたことなので学校に管理責任がある」と説明した一方で、「急激な天候の変化が起こったということで、なかなか今回は防ぎきれなかったと考えております」と述べました。
また、サッカー部の顧問の2人が、当時、雷注意報が出ていたことを認識していなかったことも明らかにしました。奈良県全域には10日朝から雷注意報が発表されていましたが当時、グラウンドではサッカー部や野球部など生徒115人が練習をし、顧問の教員など8人がいたということです。
また、グラウンドには避雷針が2本ついた屋根付きのスタンド(140人が収容)があるということですが、雨が降り始めてからすぐに雷が落ちたため、避難させる余裕はなかったと会見で言及していました。
学校は今後、専門家を交えた調査委員会を立ち上げて再発防止策を検討する方針です。