トランプ米大統領の関税政策は朝令暮改が相次ぐ。月刊誌は締め切りが早いだけに記事が陳腐化しそうだ。株式の投資判断をミスリードしそうである。
トランプ政権は、先週11日夜、「相互関税」の対象からスマホなどを除外すると発表。ノートPCやタブレット端末、その他の電子機器も対象外にしたが、13日にはスマホやノートPCといった電子機器に対して引き続き関税を課すと改めて表明した。
トランプ旋風で荒れ模様の中、人類の団結を目指した「大阪・関西万博」が13日に開幕。「世界最大の木造建築物」の大屋根リングは「多様でありながら、ひとつ」という理念を表し、一人一人が互いの多様性を認め、「いのち輝く未来社会のデザイン」実現をテーマとした。
米国パビリオンの敷地面積は約3000平方メートル。一方、中国のパビリオン敷地面積は約3500平方メートルと、海外パビリオンの中では最大規模。負けず嫌いのトランプ米大統領は不快だろう。
トランプ政権の関税措置の再考を狙い赤沢亮正経済再生担当大臣が訪米する。17日にベッセント財務長官や、通商代表部のグリア代表と初交渉を行う。赤沢大臣は、非関税障壁や為替が議題として持ち出されれば議論に応じる考えを示している。
石破総理は、関税措置について「自動車や鉄鋼、アルミ産業をはじめわが国を支える国内産業や世界経済全体に大きな影響を及ぼしかねないことに変わりはない」と述べている。
万博の入場券販売枚数は想定を下回っている。この先、ゴールデンウイークの賑わいは当然として、日本の将来を担う幼稚園児から大学生までが、遠足や社会科見学、修学旅行などで訪問するだろう。開催は10月13日まで。半年後の“決算”はどうなるか。
■インフレ懸念が浮上
政府は、つい先日までデフレ脱却を推進してきたが、いざ消費者物価が日銀の政策目標としていた2%を超えたら、今後はインフレ懸念が浮上。株価の乱高下で示されるように経済は複雑だ。
昨年の衆院選では与党が大敗し、過半数を下回った。過半数割れは、政権が交代した2009年以来15年ぶりだが、過半数割れ後の日経平均株価はさえない展開になる傾向がある。
今夏の参院選に向け、各党は減税など「大衆迎合的な政策」を訴え始めた。大阪・関西万博を推進した日本維新の会の政党支持率は、今月上昇するだろうか。
選挙も日米交渉も暗中模索のような情勢に見える。