自民党の西田昌司参院議員が沖縄県での会合で、ひめゆりの塔に関する展示について「歴史の書き換えだ」と批判し、沖縄県の政治家やメディアが一斉に反発の声を上げている。
地元メディアによると会合は3日に那覇市内で行われた。西田氏は過去にひめゆりの塔を訪問したと明かし、展示の説明に「日本軍が沖縄に入ってきたことでひめゆり学徒が死に、米国が入ってきて沖縄が解放された」という文脈のことが書かれていたと主張。「歴史を書き換えられるとこういうことになってしまう」と訴えた。
ところが、実際の展示にはそのような記述はないという。糸満市の金城幸盛市議はX(旧ツイッター)で「強く抗議します」とし「沖縄戦体験者や遺族、そして沖縄県民の心を深く傷つけ、県民の尊厳を踏みにじる発言であり断じて容認できません」と批判した。沖縄県議会では抗議決議を提出する動きがあるという。
西田氏とはどういう人物なのか。自民党内では保守派として知られる。永田町関係者は「西田氏が目立っていたのが野党時代です。ヤジ将軍として民主党政権に対して痛烈にヤジる姿が有名でした。国会では前原誠司外相の外国人献金問題を取り上げて、大臣辞任に追い込むなどしていた。その姿から〝国会の爆弾男〟という異名もできたほどです」
2012年に自民党が政権復帰したあとも攻めの姿勢は変わらず、同じ与党の自民党内からも「何を言い出すか分からない」と恐れられていた。最近も石破茂首相に対して退陣を求めるなど、攻めの姿勢は相変わらずだった。
一方で「ヘイトスピーチ解消法では、自民党内で率先して法案成立に向けて動いた人でもある。その点では野党から評価する声もあった」(野党関係者)という。
もっとも今回の件では野党は総攻撃している。蓮舫元参院議員は「この人は夏に予定される参院選挙の改選組で、京都府民の良識が問われます」とXに投稿。自民党全体にも影響がありそうだ。