「職場と家の周りをつけ回してはいたけど、遠くから見ていただけで何かしてくるわけではなかったから気は弱い男だったんだと思う。でもまさか、家の中にまで入ってくるとは……」──川崎市川崎区の岡崎彩咲陽(あさひ・20)さんの遺体を自宅に遺棄したとして逮捕された白井秀征容疑者(27)。既報のとおり、ふたりは昨年4月ころから付き合い始めたようだが、その交際には初めから翳りが差していた。【前後編の前編】
彩咲陽さんの祖母の姉は「白井と彩咲陽はくっついては離れての連続だった」と話す。
「白井は当時、とび職の会社に勤めていて、会社の寮に住んでいたんです。ふたりは付き合って1か月くらい経つとそこで半同棲のような生活を始めたんですけど、暴力がひどくて彩咲陽は家族のところへ何度も助けを求めてきたの。逃げてもまた白井に呼び出されたり、家から連れ戻されたり、しばらくそんなことの繰り返しだった。
去年の10月くらいかな、『蹴飛ばされて、殴られた』と彩咲陽が泣きついてきたんです。そのとき彼女は祖母の家にいたんですけど、『おばちゃん、ヒデ(白井容疑者)が家の近くにいるから怖い。すぐに来て』と電話があったから家に向かうと、本当にあいつがいた。近くの公園に呼び出して、『寮から彩咲陽の荷物を全部もってこい』『ちゃんと付き合いたいなら筋があるだろ』と伝え、彩咲陽にも彼に二度と会わないように言いました。白井は口では『わかりました』と言っていましたけど、拳を握りしめるようにわなわなしていて、気持ち悪かったのを覚えてる。
この時が交際関係の終わりだったと、私たちは認識しています」
昨年4月から10月までの間、彩咲陽さんや親族は暴力行為について警察にも相談しており、管轄署にもその記録が残されている。全国紙社会部記者が語る。
「昨年6月13日、彩咲陽さんから『彼氏と喧嘩になった』と通報があり、警察官が祖母宅に避難させる処置をしたそうです。 また昨年9月20日には岡崎さんの父親から『娘が“元交際相手”から暴行を受けた』旨の通報を受け、このときも職員が対応。外出先で刃物を向けられたと申し入れがあり、被害届も提出されましたが、その後、岡崎さん本人が『白井容疑者と復縁していたが、事実と異なる説明をしてしまった』として、被害届は取り下げられています。ただ、白井容疑者に脅されて取り下げたのではないかという見方もあります」
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