心臓の検査入院を終え、10日、東大病院を退院された上皇さまは、検査の結果、「無症候性心筋虚血」と診断されたと宮内庁が発表しました。
宮内庁は10日、東京大学医学部附属病院を退院された上皇さまは、検査の結果、症状はないものの、一定程度以上の運動負荷がかかることによって心筋への血流が不十分となる「無症候性心筋虚血」と診断されたと発表しました。
今後の対応については専門医との協議の結果、これまでの治療に加えて新たな薬物治療を受けていただき、過度な運動負荷を避けながら日常生活をお過ごしいただくことになったと説明しています。
今後はこれまで以上に、医師による慎重な経過観察が必要とされているということです。
91歳の上皇さまは、冠動脈から心臓の筋肉への血流が不十分になる状態の「心筋虚血」の可能性が高いと診断されたことを受け、今月6日から、東京・文京区の東京大学医学部附属病院に検査入院し、心臓の検査を受けられていました。
10日午前11時半ごろ、上皇さまは上皇后さまに付き添われて4日ぶりに退院し、お住まいの仙洞御所に戻られました。
側近によりますと、上皇后さまは入院から退院まで毎日病院を見舞い、上皇さまもそばにいることで安心されている様子だったということです。
ご夫妻は、検査や看護に心を尽くし従事してくれた病院関係者に感謝の気持ちを示されていたということです。
側近によりますと、上皇さまは10日午前、退院前に上皇后さまとともに医師からの説明を受けられました。
病院では心電図、X線、心エコー、冠動脈CTの検査を受けられ、その結果、血流が十分ではなく特に運動負荷がかかると動脈硬化が進んでいることもあり血流が十分でない状態になっていることが分かったということです。
運動負荷がかかりすぎないように投薬治療を行うということで、動脈硬化の進行を抑え、冠動脈の血流を改善することを目的としているということです。
また上皇さまは、日常生活の中で、仙洞御所内での運動や階段の昇降、筋力維持の運動を日課とされていますが、ひとつひとつは問題ないものの、これらがセットになることで少し負荷がかかっていたとみられるということで、今後、メニューの見直しを含め検討していくということです。
また、検査の結果は天皇皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻にも伝えられているということです。