「日本軍は県民を殺していない」 沖縄戦を巡り参政党・神谷代表 自民・西田氏の発言に同調 青森で街頭演説

【東京】参政党の神谷宗幣代表が10日、沖縄戦に絡んで「日本軍が沖縄の人たちを殺したわけじゃない。にもかかわらず、日本軍にやられましたみたいな記述があるのはおかしい」などと日本軍による住民虐殺を否定する街頭演説を青森市内でしていたことが分かった。神谷氏は12日、本紙の取材に「一部軍人による島民の殺害があったことは承知している」としつつ「例外的な事例だ」と回答した。(東京報道部・山城響)
青森駅前での演説は党代表全国キャラバンの一環。神谷氏は、ひめゆりの塔の展示説明を「歴史の書き換え」とした自民党・西田昌司参院議員の発言に関し「本質的に彼(西田氏)が言っていることは間違っていない」「ちゃんとチェックはしていないが、(私の)認識は西田先生と近いと思う」などと述べた。
さらに「なんで日本の人たちが全国から行って沖縄を守ろうとしたのに、それを悪く言うような表記があるのか。何が歴史修正なのか」と主張。日本軍が自決用の手りゅう弾を渡すなどの例があったとした上で「そういうところだけを切り取って『日本軍が悪かった』。そんなわけない」とした。
当時の知事だった島田叡氏については「玉砕する覚悟で兵庫県から島田さんという人が行って、(略)避難計画を進めた」と評した。
神谷氏は参政党結党後初となる9日の代表選で、代表続投が決まっている。
参政党の神谷宗幣代表の回答
日本軍の一部軍人による島民の殺害があったことは承知している。ただし、それは例外的な事例であり、多くの軍人は沖縄県民を守るために戦った。その事実を主に伝えた上で、一部の問題行動に触れるなら理解できるが、加害の側面を主に取り上げる伝え方には違和感を覚える。むしろ、甚大な被害を与えたのは、米軍による艦砲射撃や空襲であった。沖縄を守った人々の名誉を正当に評価することが、日本の政治家の責任だと考えている。