八潮の道路陥没事故、県が現場付近事業者らに損失補填の方針 6月に個別相談会実施

埼玉県八潮市の道路陥没事故で県は17日、現場付近の事業者や住民を対象に説明会を開催した。県は今後の復旧見通しに加えて、陥没事故以降に発生した損失などについて、補償する考えを示した。申し込み制による個別相談会を6月2~19日に実施する。
下水管内に転落したトラックの運転席と運転手の引き上げが終わり、工期の目途が立ったことから開催した。この日、市の複合施設「八潮メセナ」で開催した説明会には、対象住民168世帯のうち10世帯17人が参加した。県の担当者は破損した下水道管の仮復旧方法や道路の復旧時期を説明。通行止めが続く片側2車線の県道54号線は、「片側1車線の暫定的な形で来年3月までに使用できるようにすることを目標にしている」とした。
一方、事故現場近くの住民からは、破損した下水道から上がってくる激しい臭気に対しての質問が相次いだ。「防臭のため空気清浄機を買ったので昨年の同じ時期より電気代が上がった。昨年との差額補償はあるのか」「陥没現場は県道だが、市道に漂う臭いにも対処してくれるのか」との意見が噴出。道路の完全復旧の時期についての県の説明に「目標でなく、はっきりとした時期を提示してほしい」と声を荒らげる住民もいた。県は、健康面などで被害が出ている場合は、相談に応じるとしている。
説明会に出席した陥没現場近くの事業所の責任者(56)は「事故が起きた道は八潮市の中心部だから、道路が早く復旧するのが一番大事」と話した。