自民党の小野寺五典政調会長は18日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、政府備蓄米が競争入札の末に政府の仕入れ価格より高値で放出されている現状に疑問を呈し、「備蓄米制度全体で入札をかけるのはおかしい」と主張した。
小野寺氏は14日に備蓄米の倉庫を視察した際、政府の仕入れ価格に比べ、今回の入札での落札価格が高額だとして「国がもうけてどうするんだ」と発言していた。この発言の真意を問われ「令和6年産は、備蓄米価格は1万3000~4000円くらい。これを入札したら2万3000円だった。備蓄していて、これを出して安くしたいと思っているのに、むしろ入札をかけているので高くなってしまう。令和5年産米でも、仕入れは1万1000~2000円が、2万円近くで売れている。ここが下がらないと、もとが下がらない」と主張。「少しでも安いお米を届けたいと思っても、なんで値段が上がってしまうのか。差額は国に入っているので、なんで国がもうけているんだよ、国民のために安い米を出すためにやっているんじゃないのということを指摘した」と述べた。
その上で「備蓄米制度全体で入札をかけるのはおかしい」と断言。「役所に聞くと、公民財産でも随意契約などがあり、大きく安く売ることはおかしいが、それなりの相場観で市場に出すことは制度上できないことはないと。今は米の値段が高いからこうしていますが、本当に飢饉(ききん)になって、コメがみんな必要な時に入札をかけたら、すごい値段で入札されることになる」と懸念を示し「国がなぜ毎年、何百億円もかけて備蓄制度をやっているかといえば、こういう時に速やかに安いお米が回るから。その本末を忘れてはいけない。だから、この制度の問題があると指摘している」と訴えた。
「備蓄米制度をしっかり改めないと、日本のコメが守れなくなる」とも述べた。