ストーカー規制法違反で再逮捕、遺族「今さら遅い」「SOSだと思って止めてくれたら」…川崎女性遺棄

ストーカー被害を訴えていた川崎市川崎区の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体が元交際相手の無職白井秀征(ひでゆき)被告(27)(死体遺棄罪などで起訴)の自宅床下から発見された事件で、神奈川県警は28日、白井被告をストーカー規制法違反の疑いで再逮捕した。
発表によると、白井被告は昨年12月12~20日、岡崎さんの自宅や職場周辺をうろついた疑い。調べに対し、「黙秘します」と話しているという。
岡崎さんは昨年12月9~20日、川崎臨港署にストーカー被害を訴えるなど計9回通報しており、捜査関係者によると、白井被告も12月末と今年3月の任意聴取で、ストーカー行為を認めていた。県警は、岡崎さんが死亡した経緯についても白井被告が事情を知っているとみて調べる。
岡崎さんの祖母の須江子さん(68)は「ストーカー被害を訴えていた時にしっかり捜査しないで今さら遅い」と憤り、父の鉄也さん(51)も「彩咲陽からの電話をSOSだと思って(白井被告を)止めてくれたら、こんなことにはならなかった」と怒りをあらわにした。
県警の和田薫本部長は28日の定例記者会見で、「昨年6月以降、被害者や家族から相談を受けていたにもかかわらず、重大な事案になったことを重く受け止めている」などと述べた。事件について発言するのは初めてで、「県警の対応への指摘や批判を真摯(しんし)に受け止める」とも話した。