神奈川県警本部長「重大事案、批判受け止める」 川崎ストーカー事件

川崎市の民家で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体が見つかった事件を巡り、神奈川県警の和田薫本部長は28日の定例記者会見で、岡崎さんが生前に訴えていたストーカー被害について「被害者やご家族から相談を受けていたにもかかわらず、結果としてこのような重大な事案となったことを重く受け止めている」と述べた。
この事件に和田本部長が言及したのは初めて。県警は事件を受けて9日に検証チームを設置し、対応に問題がなかったか内部調査を進めている。和田本部長は「一連の対応状況について、さまざまなご指摘やご批判をいただき、県警として真摯(しんし)に受け止めている」と述べた。
また、検証では、相談対応や行方不明後の捜査が適切だったか▽本部と署の連携や本部の指導に問題はなかったか▽警察庁の通達に沿ったストーカー対応をしていたか――の3点を中心に確認していると強調。捜査員への聞き取りなどを進め、「できるだけ速やかに結果をまとめて公表したい」とした。
岡崎さんは2024年6月以降につきまといなどの被害を繰り返し相談・通報していたが、和田本部長は「ストーカーでなく交際を巡るトラブルとして対応してきた」との認識も示した。
岡崎さんは12月20日に行方不明になり、県警は4カ月以上たった25年4月30日にストーカー規制法違反容疑で元交際相手の白井秀征容疑者(27)の自宅を捜索。バッグに入った遺体を発見した。【横見知佳】