アベノマスク契約「文書なしとは考えがたい」 国の不開示決定を取り消し 大阪地裁

政府が新型コロナウイルス対策で全国の世帯に配布し、「アベノマスク」とも呼ばれた布マスクを巡り、業者との契約過程を記した文書を「作成していない」などとして開示しなかった国の決定は不当だとして、神戸学院大の上脇博之教授が国を訴えた訴訟の判決が5日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は「作成されなかったとは考えがたい」として不開示決定の一部を取り消し、国に11万円の賠償を命じた。
訴状などによると、上脇氏は令和2年4~7月、厚生労働省と文部科学省に対し、契約や発注に関する文書や販売業者とやりとりしたメールを開示するよう請求。国は契約書などは開示したが、契約に至るまでの文書については「事務処理上作成または取得した事実はない」などとして不開示としていた。
上脇氏側は、文書を作成していないことはありえないと主張。その後、国の再調査で職員のパソコンに100通以上のメールなどが存在することが判明していた。