大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)は5日、人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)の会場南側にある「ウオータープラザ」と、会場中心部にある「静けさの森」で、指針値の最大20倍に当たるレジオネラ属菌が検出されたと発表した。現時点で健康被害を訴える人はいないという。ウオータープラザの噴水を止め、水上ショーも6日まで中止する。静けさの森の親水施設では水を抜くなどの対応をした。
ウオータープラザでは、万博協会が海水を調べたところ、5月31日に公益財団法人日本建築衛生管理教育センターが定める指針値の1・6倍、6月4日には約20倍のレジオネラ属菌が検出された。市保健所に報告し、噴水を止めるよう助言を受けた。市保健所の検査では検出限界値を下回っていたという。
一方、静けさの森では、市保健所が5月19日に水質検査し、28日に速報値として、親水施設の1カ所で指針値の20倍のレジオネラ属菌が検出されたことを万博協会に通知した。水道水を循環させていたが、29日夜から排水し、30日朝から親水施設としての利用を中止した。
報道陣から、親水施設は子どもが遊ぶ場所でありながら、公表が遅いのではないかとの指摘が相次いだ。万博協会の担当者は「遅らせた意図はない。保健所から緊急性があるという助言は受けていなかった。6月4日に検査結果の確定値の通知があり、公表した」と説明した。
厚生労働省のホームページなどによると、レジオネラ属菌は河川や湖水などに生息する細菌。感染すると肺炎などを引き起こす場合がある。【岡崎英遠】