【ワシントン時事】トランプ米政権の高関税措置の見直しを求め、赤沢亮正経済再生担当相は6日(日本時間7日)、ベセント財務長官、ラトニック商務長官とそれぞれ会談した。会談後、赤沢氏は5回目となる今回の関税交渉について、記者団に「(日米の)合意の実現に向けた議論がさらに進展した」と強調した。一方、現時点で「一致点は見いだせていない」と明らかにした。
日米が両首脳による合意のめどとするカナダでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)が今月15~17日に迫る中、交渉の行方は依然不透明だ。赤沢氏は「サミットのタイミングは念頭にはある」との認識を示したが、次回の交渉日程について「現時点で決まっていることはない」と述べた。
赤沢氏は6日、ワシントンでベセント氏と約45分間、ラトニック氏と約1時間50分間にわたって協議。自動車や鉄鋼・アルミへの追加関税、相互関税など米側の一連の措置の見直しを改めて要求した。ラトニック氏とは5日も会談した。
日米は、(1)両国間の貿易拡大(2)非関税措置の見直し(3)経済安全保障面での協力―を軸に接点を探っている。
赤沢氏は記者団に「貿易赤字の解消というのは米側の大きな関心事だ」と指摘。日本側は米国産車を日本に輸出しやすくする「相互認証」の強化や、米国で生産した日本車の第三国向け輸出への協力を提案。トランプ米大統領が重視する貿易赤字削減につなげ、その貢献度を自動車などへの関税率に反映させたい考えだ。
このほか、造船技術や液化天然ガス(LNG)開発などで米側に協力する姿勢も示し、一連の関税措置見直しでの早期合意につなげる構えだ。
米側は国・地域別の相互関税の上乗せ部分の見直しには柔軟な姿勢を示しているものの、日本の主張とは依然として溝がある。 [時事通信社]