「事件を風化させることなく、次世代につなぐのが使命」池田小事件から24年の追悼式典

児童8人が犠牲となった平成13年の大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件から24年となった8日、犠牲者を追悼する式典「祈りと誓いの集い」が同小で営まれた。児童や遺族、教職員ら約765人が参加。学校の安全確保を誓い、事件を風化させない決意を新たにした。
事件が発生した午前10時10分過ぎ、亡くなった児童の名前が刻まれたモニュメント「祈りと誓いの塔」の8つの鐘が鳴らされると、参列者は1分間の黙をささげた。
式典で荒川真一校長は、事件当時勤務していた教員が今年度から同小にいなくなったことに触れつつ「児童や教員が入れ替わっても事件のことを語り伝えている」とし、「6月8日を学校安全について全国で考える機会にしてほしい」と訴えた。
代表の6年児童は「悲しい事件を風化させることなく、さまざまな取り組みを次の世代につないでいくことが私たちの使命だ」と述べた。
式典後、荒川校長は報道陣の取材に「学校全体として事件を語り継いでいくことが大切。日本中の学校が少しでも安全になるよう本校で培ったノウハウを伝えていきたい」と語った。
事件は平成13年6月8日午前10時10分過ぎ、校舎に宅間守元死刑囚=事件当時(37)=が侵入し、教室にいた児童らを包丁で次々と襲撃。8人が殺害され、児童13人と教員2人が重軽傷を負った。