6月11日(水)9時、南シナ海で発達中の熱帯低気圧が台風1号(ウーティップ)になりました。台風の発生は今年初めてで、昨年12月以来およそ半年ぶりです。
台風1号の発生が6月以降になるのは9年ぶりで、台風1号の発生時期としては過去5番目に遅い記録です。
▼台風1号 6月11日(水)9時
中心位置 南シナ海
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 西北西 15 km/h
中心気圧 994 hPa
最大風速 18 m/s
最大瞬間風速 25 m/s
ゆっくりと北上し大陸に上陸か
進路予想を見ると、ゆっくりと北上して中国の華南に上陸する可能性が高くなっています。
大陸に上陸した後は急速に勢力を落とすため、台風そのものが日本列島に進んでくる可能性は小さいとみています。
今週末、間接的に日本でも雨が強まる可能性
予想天気図 14日(土)
台風が遠く離れていても油断はできません。13日(金)以降は、中国の華南沿岸に位置する台風の周辺から、太平洋高気圧の周囲をまわるようにして暖かく湿った空気が梅雨前線に流れ込みやすくなる見込みです。この湿った空気の影響で梅雨前線の活動が活発化することが予想されます。
台風の直接の影響ではないものの、13日(金)頃から15日(日)頃にかけて、活発化する梅雨前線の影響で日本でも雨の強まるおそれがありますので、最新の気象情報にご注意ください。
大陸に上陸したあとも要注目 猛暑も
台風1号になる見込みの熱帯低気圧は大陸に上陸して勢力を落とし、来週になると梅雨前線に取り込まれる見込みです。この頃から太平洋高気圧の勢力がさらに強まり、梅雨前線は日本海~東北地方付近まで北上する可能性が高くなってきました。
台風が持ち込んだ暖かく湿った空気は来週になると朝鮮半島方面に進む可能性が考えられ、その後の影響はまだわかりません。念のため今後の情報にご注意ください。
また、週末以降は太平洋高気圧の勢力が強まることで日本付近には真夏の暖気が流れ込む可能性があり、来週は季節先取りの暑さになることも考えられます。台風の直接の影響ではないものの、暑さへの備えも考慮が必要です。
台風1号 5月までに発生しなかったのは2016年以来9年ぶり
平年の台風発生数
台風の発生は、昨年12月23日に発生した台風26号以来で、およそ半年ぶりとなります。
台風1号が5月までに発生しなかったのは2016年以来9年ぶりで、台風1号の発生時期としては1951年からの統計で5番目に遅い記録となりました。
台風発生数の平年値を見ると、5月以降は台風の発生が増え始める時期ということがわかります。7月にかけては梅雨前線の活動も活発になる時期ですので、台風対策・大雨対策を整えておくようにしてください。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風1号の名前「ウーティップ(Wutip/蝴蝶)」はマカオが提案した名称で、ちょう(蝶)を意味する広東語からとられています。