山尾志桜里氏〝出馬会見〟で怒号 不倫否定の「ゼロ回答」で国民民主に大逆風も

参院選比例代表に国民民主党からの出馬発表で、炎上していた山尾志桜里元衆院議員が10日、国会内で、約1か月遅れの〝出馬会見〟を開いた。国民民主の支持率下落の要因とされ、おわびの場となることも予想されたが、過去の不倫疑惑を改めて否定。事実上のゼロ回答で、国民民主をぶっ壊しかねない状況になってきた。
会見場には100人近い報道陣が集まり、斎藤元彦兵庫県知事やフジテレビ問題の会見で話題になったフリー記者が腕をぶす中、無数のフラッシュを浴びた山尾氏はカメラマンの要望に応える余裕ぶりを見せた。
冒頭、地球5周分のガソリン代計上、JR乗り放題の議員パスの私的利用を謝罪し、弁護士男性との不倫騒動についても真相を話すかと思われたが、「私的な件」とかわしたうえで、「いろんな立場の方にご迷惑をかける。何か新しいことをお話しすることは控えさせてください」と拒否し、これには報道陣も口をあんぐりさせた。
ミュージカル「アニー」を演じた同士で親交の深い東京新聞の望月衣塑子氏が「山尾さんを尊敬している部分があるが、不満や不安を感じている。もう一歩踏み込んだ心の内側の話をしてもらいたい」と泣き落としに出たが、山尾氏は冷徹に「これ以上、私が何か言うことで、いろんな方、ご事情にご迷惑をかけるのは、どうしても避けたい。新しい事実を話すと思われる方がいるが、8年前に話した通り、そういった事実(男女関係)はない」と、後輩アニーの声にも耳を貸すことはなかった。
先月14日に山尾氏の公認が発表された後、党員や報道陣から会見を開くように提案されるも応じないことで、批判は膨れ上がるばかりだった。同時に公認されていた元維新の足立康史元衆院議員は先月、ネット番組で「(山尾氏の炎上は)作戦だな。全国比例はとがって、とがって、目立てばいいんです。悪名でいいんですよ」と指摘していた。
選挙区では満遍なく支持を得ないと当選できないが、参院比例はいかに個人票を集め、党内で上位に入るかの争いになる。山尾氏はいわばヒール役に徹することで、話題になり「悪名は無名に勝る」で、アンチを生んだとしても一定のコアな支持を得られれば、当選できる計算だ。
一方で、他の候補者からすればたまったものではない。野党関係者は「山尾氏との間に何があったか分からないが、玉木代表は完全に骨抜きにされている。山尾氏は何があっても公認が取り消しになるようなことはないから強気一辺倒になっている」と指摘する。
実際、山尾氏はこの日、公認取り下げについて「想定していない」とキッパリ。不倫騒動に言及しないことで、報道陣からは「答弁拒否だ」「不倫してないと言うのなら週刊文春を訴えるべき」「何のために会見したのか?」と最後は大荒れとなったが、山尾氏は表情を変えることはなかった。
すでに参院選へ向けて事務所を開き、ボランティアスタッフも集まっている。このまま炎上上等の〝山尾劇場〟に突入する構えで、国民民主の支持率下落に歯止めがかからない恐れも出てくるが、玉木氏は心中することになりそうだ。