「投資がマネーゲームに」金融教育にも疑問 元GS証券・田内学さん

毎日新聞企業人大学の定期講座が23日、千葉市美浜区のホテルグリーンタワー幕張であり、米金融大手ゴールドマン・サックス証券の元トレーダーで、現在は作家として活動する田内学さんが講演した。田内さんは資産運用が盛んに呼びかけられる社会について、「みんなが投資をやってもただのマネーゲームにしかならない。何も社会の問題解決につながっていかない」と疑問を示した。
田内さんは金融というシステムは、誰かがお金を受け取って新しい事業などに挑戦することができると解説。だが最近の学校現場などでは「資産を増やすということしか教えられてこなかった」と問題視し、「若い人は資産運用ではなくて、お金を受け取って何か頑張る世の中になってほしい」と呼びかけた。
田内さんは2023年に出版した「きみのお金は誰のため」(東洋経済新報社)が、お金と社会の仕組みを分かりやすく解き明かしたと評判になり、ベストセラーとなった。【平塚雄太】