「脱法モペット」販売の“中国人”を逮捕! 「もっとやれ」「バンバン検挙すべき」の声も! ナンバーなし「危険走行」を黙認… 異例の“販売店”摘発の背景は? 元警察官が解説

客が違法走行していることを知りながらペダル付き電動バイク「モペット」を販売したとして、販売店経営者が逮捕されました。一体何があったのでしょうか。
■違法走行を「黙認」 販売店を摘発
客が違法な状態で公道を走行していると知りながら、ペダル付き電動バイク「モペット」を販売したなどとして、大阪市内にあるモペット販売店の経営者らが逮捕されました。
一体どのような事案だったのでしょうか。
大阪府警は2025年6月25日までに、客が違法な状態で公道を走行すると知りながら、ペダル付き電動バイク「モペット」を販売したとして、大阪市内のモペット販売店の中国籍経営者ら4人を、道路交通法違反(整備不良など)ほう助の疑いで逮捕しました。
これは、6月中に40代の男性客らがモペットを購入した直後、本来設置しなければならないナンバープレートやサイドミラーなどを備え付けないまま運転していたものの、店側がそれを黙認していたというものです。
大阪府警ではこれまでに、時速20キロ超で走行可能なモデルのモペットにナンバープレートを取り付けて販売するよう店に指導していたということですが、逮捕された容疑者らは従っていませんでした。
なお、大阪府警はモペットの購入者が整備不良の車両に乗って店から帰る様子などを確認し、店側に違法性の認識があったと判断したということです。6月23日には店に家宅捜索をおこない、モペット数台を押収したといいます。
このペダル付き電動バイク モペットをめぐっては、たびたび重大な事故が発生しており、悪質な運転が問題視されてきました。
2024年10月には東京都世田谷区の路上で、大学生がモペットを無免許運転して事故を起こし、50代の男性に重い障害が残る大けがを負わせた上、知人に犯人の身代わりを依頼したという事件もあり、その後懲役3年の実刑判決が言い渡されています。
しかし今回の事例のように、モペットの販売店側が道路交通法違反のほう助容疑で立件されるのは異例のことです。
このニュースに対しては、インターネット上で「ほう助で逮捕!よくやったという気持ちと、もっとやれという気持ちです」「これを契機に悪質なお店をバンバン検挙すべき」など、今回の取り締まりを好意的に受け止める声が多数聞かれました。
また、「ナンバー登録、自賠責保険の加入を購入者任せにしているお店も多い」との現状を指摘する意見や、「自賠責保険に加入していない違法なモペットに乗って他人にぶつかって怪我をさせたらどう責任を取るつもりだろうか?そんな事を何も考えていない販売者と運転者を厳しく取り締まって下さい」など、取り締まり強化を求める声も上がっています。
そもそもペダル付き電動バイクは、ペダルおよびモーターを備える車両のうち、「スロットルが備えられておりモーターのみで走行させることができるもの」「電動アシスト自転車のアシスト比率の基準を超えるもの」をいいます。
これは自転車の性能を大きく超えるため、運転する際には「原付免許」以上の運転免許が必要であり、車道を通行する、ヘルメットを着用するなどの交通ルールを守らなければなりません。
ペダルを備えていることから自転車に分類されると勘違いする人も少なくなく、ペダル付き電動バイクには運転免許が必須であるとの認識を持つことが大切です。
さらにペダル付き電動バイクには、原付同様にブレーキやヘッドライト、サイドミラーといった装置のほかナンバープレートの取り付けが義務付けられています。加えて、自賠責保険(共済)の契約をしていなければ、運転することはできません。
そのほかペダル付き電動バイクは、モーターを使わずペダルのみを使って走行した場合でも自転車ではなく、原付または自動車扱いとなります。誤って歩道を走ることがないよう注意しましょう。
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ペダル付き電動バイクの販売に際しては、店側がナンバープレートの設置義務や自賠責保険の加入義務などについて、顧客にきちんと説明していないケースが散見されます。
運転者自身はもちろん、販売店にも法令を遵守する意識を持つことが求められています。