厚生労働省は1日、全国の被爆者健康手帳を持つ被爆者が9万9130人(3月末現在)だったと公表した。原爆投下から80年が経過しようとする中、初めて10万人を下回り、平均年齢も86.13歳となった。
被爆者は昨年同期の10万6825人から7695人減少した。被爆地の広島市で3万5730人、長崎市で1万7154人だった。都道府県別で見ると、広島と長崎の他、東京3307人、福岡3957人などが多かった。
平均年齢も昨年85.58歳から0.55歳上昇した。
厚労省は1957年に手帳交付が始まって以降、毎年3月末時点の被爆者数を公表。58年の20万984人から増加していたが、81年の37万2264人をピークに減少傾向に転じた。2000年に30万人、14年には20万人を下回った。
同省は被爆80年を迎える今年、被爆者全員を対象に体験記を募集している。全員に呼び掛けるのは30年ぶりで、担当者は「高齢化が進む中、被爆の実相の継承がより重要になっている。被爆者の声をできるだけ多く集めたい」としている。 [時事通信社]