5月の静岡県伊東市長選で初当選した田久保真紀・伊東市長の学歴問題は2日、急展開した。田久保市長は記者会見で、「東洋大学から『卒業』ではなく『除籍』と示された」と認めた上、「卒業したと勘違いしていた」と学歴詐称を否定。「経歴は選挙中に自ら公表しておらず、公職選挙法上は問題はない」と述べた。
この問題を追及してきた市議らは今後、本会議で調査権限の強い百条委員会を設置。市長に対する辞職勧告決議案を提出する構えだ。
市観光会館で開かれた記者会見には、顧問弁護士も同席。田久保市長は先月28日に大学に出向き、卒業証明書の申請手続きを行ったところ、「除籍されていたと判明した」と説明。「大学卒業について選挙中も自ら公表はしておらず、弁護士にも確認して、公職選挙法上、問題はない」と主張した。
市長の経歴訂正に対し、市議会の中島弘道議長は「我々にちらりと見せた『卒業証書』は偽物だったということ。市役所には苦情が殺到し、市民にも不安や疑問が広がっている」と述べた。その上で、市長に対する辞職勧告決議案を提出するとともに、百条委を設置して、市長の学歴問題をさらに追及する方針を示した。
市長会見が報道されると、市役所の秘書広報課や職員課には市内外から苦情や問い合わせが200件ほど寄せられ、職員が電話対応に追われた。
同市在住の40歳代の女性会社員は、「市民を代表する市長が、自らの思い違いだったから、経歴詐称ではないなんて言い訳をするなんて、あきれてしまう。全国ニュースにもなって、市民として恥ずかしい」と話していた。
読売新聞は、5月25日実施の伊東市長選の告示や投開票結果を報じた記事で、田久保氏の略歴欄の「学歴」について、本人の申告に基づき、「東洋大法学部」と記載していました。