新燃岳噴火「見通し難しい」=気象庁が注意呼び掛け

気象庁は8日、宮崎、鹿児島両県境にある霧島連山・新燃岳で観測されている一連の噴火について「今後の見通しを説明することは難しい」との見解を示した。新燃岳では6月下旬から火山活動が活発化しており、同庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げて注意を呼び掛けている。
同月22日午後に噴火が観測され、23日の現地調査では火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が急増していることが判明。今月3日には噴煙が火口から5000メートルの高さまで上がった。噴火の観測は2018年6月以来、7年ぶりだった。
気象庁によると、産業技術総合研究所などが採取した火山灰を分析したところ、噴火が始まった直後には新しいマグマ物質と考えられる粒子はごくわずかだったが、今月の火山灰にはマグマ物質が3%程度含まれていたという。
同庁は「マグマが関与しない『水蒸気噴火』から、マグマが噴出する『マグマ噴火』に近くなっていると考えられる」と指摘。「もし本格的なマグマ噴火に移行すると、大量の火山灰や溶岩流が想定される。危険な地域には立ち入らないようにしてほしい」としている。 [時事通信社]