熊本で150匹の猫が死んだ 動物愛護団体の女性スタッフを刑事告発 現場に立ち会った関係者が語る混乱と後悔

熊本市北区の住宅で約150匹もの猫の死骸が見つかった問題で、熊本市は6月10日、熊本県内で活動をする動物愛護団体の女性スタッフを動物愛護管理法違反の疑いで刑事告発したと発表しました。現場の保護活動に関わった女性スタッフ所属の団体の関係者は、発覚当日の混乱と、把握できなかった経緯、そして今後の活動について語りました。
関係者によると、熊本市動物愛護センターは10日、市役所で記者会見を開き、女性スタッフの自宅から猫の死骸約150匹、生きて保護された猫が15匹だったことを明らかにしました。ただし、そのうち2匹は死亡、1匹は別の団体が引き取り、現在は13匹を関係者らが世話を続けているといいます。
※今回報道する側は、事実を通じて問題提起を目的に発信しております。動物愛護団体関係者への誹謗中傷などはおやめください。
「現実なのか分からなかった」現場で立ち尽くした夜
今回の問題は5月27日、市外の住民から「預けた猫が死んでいた」との市動物愛護センターへの通報で発覚しました。当日、先にセンター職員やボランティアらが現場へ。さらに女性スタッフが所属する団体の関係者は仕事を終えてすぐに女性スタッフの自宅に向かったといいます。
「立ち尽くしました。何が起こっているのか、現実なのか…。とにかく混乱しました。夜だったので外での確認にとどまりましたが、当日は死骸までは見ていません」
また6月2日には複数の動物愛護団体のボランティアが現場に入り、生きている猫の保護と、腐敗や白骨化した死骸の回収が行われました。
「なぜ防げなかったのか」把握できなかった背景
女性スタッフは所属する団体のスタッフとして、保護猫の預かりも担当していました。他の団体や個人から直接女性スタッフに連絡が入り、猫を預かるやり取りが個人間で進められていたといいます。
「女性スタッフはとてもフットワークの軽い人で、信用していました。ただ、他団体が直接スタッフに連絡を取り、私たちに報告が来ていないケースが多くありました。SNSのDMなどからスタッフが個人の連絡先を教えて直接やり取りしていたのです。『あの猫どうなった?』『そんなに猫預かって大丈夫?』 『報告はかならずして』 と強く、踏み込んで言うべきだったと後悔しています…」(関係者)
結果的に、大量の猫を一人で抱え込む形となり、管理が行き届かなくなったとみられています。
捜査進む中で「二度と同じことを繰り返さない」
関係者は現在、被害にあったとみられる猫の情報照合を進めています。女性スタッフの自宅に残された猫の救助を最優先に、警察の捜査にも協力しているといいます。
「現在、警察と愛護センターが捜査に入っているため、詳細はお話しできませんが、お問い合わせいただいた猫たちとスタッフ宅にいた猫、譲渡された猫、亡くなった猫を突き合わせていますが、照合は難航しています。今後も犬猫の命を最優先に考え、無事に譲渡していきたいです」
最後に関係者は、応援してくれた人々や、被害を受けた家族への謝罪を口にしました。
「この度は多大なご迷惑とご心配をおかけして、本当に申し訳ありません」
※今回報道する側は、事実を通じて問題提起を目的に発信しております。動物愛護団体関係者への誹謗中傷などはおやめください。
守れなかった命156匹 熊本・動物愛護団体、全活動終了と代表謝罪(7月3日公表)
ご報告
猫のご遺体について 現在、警察の証拠品になっております。 裁判所の許可がおり、7/4に東京へ検死に向かうことになりました。 守りきれなかった命たちをしっかりとお見送りいたします。 戻ってくるのは10ヶ月から1年後の予定ときいております。
調査に関するご報告
ご遺体は156匹。 お問い合わせの数107匹。 うち照合できた数18匹。
生存猫たちは、ありがたくお申し出をいただきました団体様へ、抗体検査や治療が終わった段階で、団体間移譲を進めさせていただきました。6/30付で、全ての猫たちの移譲が完了したこをご報告させていただきます。たくさんのご支援、ご理解とご協力のもと、未来へと繋ぐことができました。 心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。
刑事事件として、現在も捜査は継続中です。
「あの猫どうなった?」 「そんなに猫預かって大丈夫?」 「報告はかならずして」 と強く、踏み込んで言うべきだった。と悔やまれてなりません。
今後の動物愛護団体は、これだけの失態を犯し、守りきれなかったたくさんの猫たちがいたことを深く反省し、活動を全て終了、解散する方向です。 代表である私も今後犬猫に関わることはありません。 改めて、深くお詫び申し上げます 。
調査は今後も継続して行ってまいりますが、全てのご遺体は証拠品でもあるため、検死へ向かうことを警察から聞いております。
お問い合わせいただきました方、譲渡情報との照合により、合致した方には個別に連絡を入れさせていただいております。また、ご遺体との照合作業は難航を極め、現在も照合できず消息不明のままとなっており、ご連絡を差し上げることができない方も多数おられます。明確にお答えすることが出来ず、誠に申し訳ございません。
このたびの調査にご協力いただきました方々、心より感謝申し上げます。 そして、お預けになられた皆様へ、重ねて深くお詫び申し上げます。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)