元経理職員が2億円着服か 熊本「開新学園」 第三者委が調査

開新高校(熊本市中央区)を運営する学校法人「開新学園」は18日、経理を担当していた元職員の50代女性が約20年にわたって、計約2億円を着服していた疑いがあると発表した。元職員は「2004年ごろから、私的に現金を引き出していた」と着服を認め、6月に依願退職した。
法人によると、元職員は03年から今年4月の人事異動まで、法人の経理を担当。退職金の積み立てや給与の支払いに使っていた法人口座から現金を引き出したとみられる。6月になって退職金口座の残額が不自然に変動していることに後任が気づき、発覚した。
元職員は1人で経理を担当し、定期的な監査では複数ある法人の口座間で資金を移動させ、預金が減っていないように装っていた。法人は警察に相談するとともに、第三者委員会を設置し、年内をめどに調査結果を公表する。
記者会見した法人の甲斐達也理事長は「組織としてチェック機能が全く機能しておらず、信頼を著しく失う行為で大変申し訳ない」と謝罪した。【野呂賢治】