“伊豆の瞳”湖に異変 紅葉かと思いきや…

「伊豆の瞳」とも呼ばれ、美しい景観で知られる湖が、ある異変に見舞われている。湖畔の木々が赤や黄色に色づいて見えるが、実は紅葉ではないという。

静岡県伊東市。穴がぽっかりとあいたような姿から「伊豆の瞳」と称される一碧湖。日本百景にも選ばれている景勝地だが、湖畔に生える木々は今、その一部が赤や黄色になっていた。
早くも“紅葉”と思いきや、一碧湖で紅葉が見られるのは、例年であれば11月中旬頃と、1か月ほども先のこと。
近年の異常気象の影響なのか、光の加減による錯覚なのか?
答えは湖畔を歩いてみるとすぐに明らかとなった。
一見“紅葉”のように思えた木々の色づき。実は、枯れて変色してしまったものだった。
本来の紅葉は生命力を感じとれるが、それに比べ今の一碧湖の木々からはみじんも感じられず。枯れ落ちるのを待つばかりとなっていた。
観光客「緑と色がコントラストがよくて、なかなかいい感じだなと最初思った。あとからお話を聞いて、そういうことも言ってられないのかなと」
紅葉シーズンを前に観光客も心配する事態になっていた。

いったい何が起きているのだろうか。
伊東市観光課・秋山泰徳観光施設係長「ナラの木が集団で枯れてしまう“ナラ枯れ”が発生しています」
「ナラ枯れ」とは、コナラなどの葉が突然赤茶色になり、枯れてしまう病気のこと。
今年の夏は気温が高く、雨が少なかったため、特に被害が深刻だという。
そして、この病気がまん延する一番の要因が“ある昆虫”。
伊東市観光課・秋山泰徳観光施設係長「木の幹の中に虫が入ってしまう病気」
木一本に数万匹もが生息するともいわれる「カシノナガキクイムシ」が、「ナラ菌」というカビを運んでくることで発生する「ナラ枯れ」が一碧湖で発生している。
さらにこの「ナラ枯れ」が厄介なのが、虫がいる限り、新たな場所で被害が発生すること。
静岡県森林・林業研究センター 加藤徹上席研究員「今まで被害がなかった関東にも被害が出ている状況です」
最近では神奈川県内や、秋田と青森にまたがる世界遺産「白神山地」の麓でも確認されているという。

一度発生すると有効な対策はなく、最低3年かかるという終息を待つしかない「ナラ枯れ」。