6月に東北・山形新幹線の新型車両「E8系」が相次いで故障した問題で、JR東日本は22日、車内の補助電源装置に想定以上の電流が流れて損傷したことが故障原因だったと発表した。対策を講じた上で、山形新幹線の新庄―東京間で取りやめていたE8系の単独運転を8月1日から順次再開し、2日から通常ダイヤに戻す。
発表によると、故障が見つかったE8系の5編成は、いずれも2024年10月以降の納車で、それ以前の編成では異常は確認されていない。5編成の同装置を調べたところ、半導体部品と制御する基板の組み合わせが不適切だったことがわかった。想定よりも高い電流が流れた上、故障時の暑さも影響して同装置の回路が誤作動を起こして損傷したと結論付けた。
8月1日から再開する単独運転に使用するのは、安全性を確認した昨夏以前に納車された編成で、故障した5編成は当面、営業運転には使用しない。そのため、お盆の時期などに設定する臨時列車は例年より本数を減らして運行するという。
22日に記者会見したJR東の土沢壇・新幹線統括本部長は「今回得た知見は今後、製品の試験やメンテナンスなどに生かしていきたい」と述べた。