石破首相退陣へ、月内にも表明する方向で調整…関税協議の妥結踏まえ意向固める

石破首相(自民党総裁)は23日、米国の関税措置を巡る日米協議が妥結したことを踏まえ、退陣する意向を固め、周辺に伝えた。月内にも退陣を表明する方向だ。20日投開票の参院選で自民、公明両党が惨敗した後、首相は続投を表明したが、自民内で退陣を求める声が強まっていた。首相は、最大の懸案だった関税交渉のメドがついたため、責任を取る必要があると判断した。
首相は23日午後には、党本部で自民の首相経験者の麻生太郎、菅義偉、岸田文雄各氏とそろって会談し、こうした考えを説明する。森山幹事長が同席する。退陣意向を受け、自民は総裁選日程の検討に入る。
進退について、首相は23日午前、首相官邸で「交渉結果を受けて、どのように判断をするかということになる。合意内容をよく精査をしなければ申し上げることはできない」と記者団に語った。トランプ大統領との会談実現を目指す考えも示した。
赤沢経済再生相は24日にも米ワシントンから帰国する。首相は赤沢氏から合意内容の報告を受けた後、日米首脳会談の可能性や他の政治日程を考慮し、退陣表明の時期と退陣日を決める。
首相は22日夜には、周囲に「関税交渉は国益がかかっている。参院選の責任の取り方について交渉のメドがつけば説明する」と語っていた。日米合意後の23日には「(合意前と)考え方は変わっていない」と周囲に明かした。
自民内では、昨年10月の衆院選と今年6月の東京都議選に続き参院選でも大敗しながら、続投を表明した首相に対する不満が噴出し、「石破降ろし」に向けた動きが広がっている。22日には、首相の退陣を求める一部の中堅議員らが総裁選の前倒し実施を要求する署名活動を始めていた。