伊万里市の強盗事件で殺害された女性、景徳鎮から一時帰国中…中国のSNS「先生が命を奪われるなんて」

佐賀県伊万里市の民家で母娘2人が侵入してきた男に襲われて死傷した事件で、犠牲になった椋本舞子さん(40)が、日本語を教えていた中国から一時帰国中に事件に巻き込まれたことが捜査関係者らへの取材でわかった。事件を受け、教え子や友人から悼む声が相次いでいる。
椋本さんが日本語講師を務めていたのは、中国江西省の景徳鎮陶磁大学。同大のウェブページなどによると、2019年から日常会話や作文などを教えていた。24年末の中国国営新華社通信の取材では、出身地の佐賀県と中国の間には陶磁器を通じて深い関係があると語り、「芸術家が集まる景徳鎮で暮らすのが大好きだ」と話していた。
中国のSNSでは、教え子や友人とみられる人たちが「先生が命を奪われるなんて」「深い悲しみに打ちひしがれている」などと書き込んだ。
江西省の陶芸家、藍潜(ランチエン)さん(25)は、椋本さんと2年ほど前に知り合い、毎週のように酒を酌み交わした。学生の好成績を自分のことのように喜ぶなど温かい人柄で多くの人に慕われていたという。長期休暇の7月初旬に日本に戻ると聞いており、「あんなに純粋な人が犠牲になるなんて信じられない」と悔やんだ。
東京都板橋区の人形作家、清水真理さん(52)は昨年9月、中国で芸術家のアトリエを訪れた際、椋本さんから話しかけられた。会話が弾み、連絡先を交換。以来、中国で作品の展示、販売を行う際の通訳や、景徳鎮で窯元を案内してもらうなどした。「熱意を持って日本語を教え、陶芸を通じて海外の文化を学び、友人に伝えていた。本当に残念」と話した。
事件は26日夕、伊万里市東山代町長浜で発生。佐賀県警は27日、椋本さんの母親(70歳代)宅に侵入し、椋本さんから1万1000円を奪って殺害したとして、近くに住むベトナム国籍の技能実習生、ダム・ズイ・カン容疑者(24)を強盗殺人などの疑いで逮捕した。(小林夏奈美、広州支局 遠藤信葉)