参政・神谷宗幣代表、トランプ氏は「踏み絵をしている」関税交渉めぐり持論展開、石破首相は反論

7月の参院選で14議席を獲得し党勢を拡大した参政党の神谷宗幣代表は5日、参院予算委員会で初めて質問に立ち、石破茂首相と初対決した。
神谷氏は、米政府との間で合意したトランプ関税交渉をめぐり、関係が近いトランプ氏の政策と足並みをそろえるアルゼンチンが「かなり優位に交渉を進めている」と主張。トランプ氏が各国に課した関税について「ただ単に貿易赤字(の解消のため)はあると思うが、プラス、どれだけ今の共和党政権が進めている政策と足並みをそろえていっしょにやってくれるのかという『踏み絵』を関税でやっているようにも見える」と主張。「交渉をうまくやっているところはどうやっているのか。日米間だけの交渉ではたぶん解決策は見えず、他国がどうやっているかというところにこれからの交渉を優位に進めるヒントがあるのではないか」と持論を訴えた。
その上で石破首相に対して、「例えば、日本が進めてきたSDGsをやめたり、パリ協定を含む脱炭素政策の廃止、パンデミック対策見直しを含めたWHO脱退、ウクライナ支援の見直し、(多様性を表す)DEI政策の廃止、政府のSNS規制撤廃など、トランプ大統領が表明しているような政策を、いっしょに日本もやらないかと声をかけられた事実はないか」と質問。石破首相が「具体的な提案はございません」と否定すると、神谷氏は「今回の関税交渉を進めていく上で、ここがポイントではないか。今の日本の政策は、かつてのバイデン政権の政策に近く、トランプ大統領はそこを変えていっている。何か総理として、こういうところはいっしょにやろうと提案されたり、直接話そうというつもりはないのか」と、自身の見立てを示しながら問うた。
この問いかけに、石破首相は神谷氏が挙げた6項目に触れながら「国益に資するかどうかは、我が国が主体的に判断するもの。アメリカに言われて関税取引の交渉材料に、こういうものを使うということは、必ずしも正しいとは思っていない」と、反論した。「アルゼンチンの大統領がトランプ大統領と親密ということは注目はしているが、アルゼンチンと我が国は貿易構造も違うし、日米は安全保障上緊密な同盟関係にある。アルゼンチンと全く同列に論じるべきではない」とも述べた。