袴田巌さん弁護団、国賠訴訟の請求額は「6億円」…証拠捏造や死刑執行の恐怖「当然の金額だ」

1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(89)が、国と県を相手取り、提訴する意向を示していた国家賠償請求訴訟の請求額が約6億円に上ることを袴田さんの弁護団が18日、明らかにした。昨年、再審無罪判決が言い渡された9月26日に合わせて静岡地裁に提訴する方針。
訴訟では、警察と検察の捜査の責任や静岡地裁が判決で認定した、犯行着衣とされる「5点の衣類」など証拠の捏造(ねつぞう)などを追及する。
請求額について弁護団の小川秀世弁護士は「証拠の捏造という悪意の不法行為」や「死刑執行の恐怖にさらされたこと」などを理由に挙げ、「当然の金額だ」と述べた。
袴田さんは、再審無罪判決後、刑事補償法に基づいて約2億1700万円の補償金を受け取っており、請求額には、この金額は含まない。