【大阪・道頓堀ビル火災】「5階で消火活動していた時に天井が崩落して、6階に避難したとみられる」殉職した消防隊員2人の状況について大阪市の横山市長が見解示す

大阪・道頓堀のビルで消火活動中の消防隊員2人が殉職した火災について、大阪市の横山英幸市長は19日の囲み取材で言及しました。「正確な調査結果を待ってほしい」としたうえで、関係部署から報告されている情報などをもとに、隊員2人が亡くなった状況について次のような見解を示しています。
▼大阪市・横山市長の発言
(大阪市・横山英幸市長)
「5階で消火活動をしていた時に、消火活動している空間の天井が崩落して、二手に避難した。避難した一方の逃げ道がなくなった。
(2人は)6階部分で見つかったので、恐らくそのエリアから上に避難した中で、酸素も時間制限があるから(亡くなった)と考えられる状況になる」
▼隊員2人死亡…現場ビルは過去には法令違反の指摘も 事故調査委員会で原因究明へ
18日午前に大阪市中央区宗右衛門町のビルで発生した火災では、20代の女性と6人の消防隊員が負傷し救急搬送されました。このうち、消火活動にあたってい浪速消防署の森貴志さん(55)と長友光成さん(22)の2人が死亡しました。
横山市長によりますと、亡くなった隊員の森さんと長友さんは複数人でチームを組み、ビルの5階で消火活動をしていた際に5階の天井が崩落して外に出られず、6階に避難したところ、酸素が足りない状態に陥った可能性が考えられるということです。
また、消防によりますと火災現場となったビルでは、おととしの立ち入り検査で6項目の消防法令違反が指摘されていたということです。現時点で、この違反が火災と直接的な因果関係があるかどうかはわかっていません。
横山市長は市内全てのビルで法令違反がないかの緊急点検を行うことについては「現実的ではない」としつつ、現時点で把握している不備の洗い出しと是正を可能な限り早く進めるよう指示していることを明らかにしました。
今月21日を目途に立ち上がる予定の事故調査委員会には第三者の専門家も参加するということで、大阪市はこの調査委員会で原因の究明を進める方針です。