九州の西にある熱帯低気圧が、きょう午前9時に台風12号「レンレン」になりました。
午後5時過ぎに、鹿児島県日置市付近に上陸した「台風12号」は、ゆっくりと東へ進んでいて、九州では、すでに風速15メートル以上の強風域がかかっています。
台風12号は、22日(金)は熱帯低気圧になる見込みですが、湿った空気の影響で、鹿児島県(奄美地方を除く)ではきょう(木)夕方~あす(金)夕方にかけて、線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急速に高まるおそれがあります。
21日午後5時30分時点で、鹿児島県には土砂災害警戒情報が出ていて、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となっています。
この台風は18日(月)に台風まで発達する予想が出ていました。しかし、その後、発達はしない予想に変わっていました。そこからまた一転、きょう(木)になって、再び台風まで発達する予想に変わったのです。
なぜ、台風になる見込みになったのか?原因のひとつは「海面水温」です。
27℃で台風は発生・発達するといわれますが、東シナ海などは29℃以上となっています。
海面水温が高いと、台風のエネルギーになる暖かく湿った空気が入り、熱帯低気圧は発達しやすくなります。そのため台風まで発達したとみられます。
多くの台風は、日本のはるか南で発生し、日本列島に近づくまで4~6日はかかりますが、今回の台風は”日本近海”で”いきなり”発生し、”上陸する”見込みです。
過去にこのような台風はあるのか?
2019年7月に発生した台風6号は、沖縄の那覇より緯度が高い北緯28.5度で発生し、わずか28時間で三重県に上陸しました。
1999年の台風16号は志布志湾で発生して、わずか2時間で上陸。
1973年の台風6号は、熱帯低気圧と台風を繰り返しながら、台風まで発達した後5時間で雲本県に上陸した例も。
このように過去には、わずかな時間で上陸したこともありますが、近年は地球温暖化の影響で、海水温が高いエリアが北上し、日本付近で台風が発生したり、発達した状態で台風が接近することが、しばしばあります。10月までの台風シーズン中は、特に情報をこまめに入手するようにしてください。