伊東市長、メガソーラー問題投稿が物議 学歴詐称の論点ずらしか 一部で返信への制限解除

学歴詐称が指摘されている静岡県伊東市の田久保真紀市長が行った、大規模太陽光発電所(メガソーラー)に関するXへの投稿が物議を醸している。一部の投稿では、普段は設定されている返信制限が解除されており、返信には建設反対への応援や学歴詐称に関する説明を求める声が入り混じっている。議論を狙った意図的なSNS戦略が透けて見える。
田久保氏は7日以降、メガソーラーに関する投稿を繰り返している。11日は「今まで沈黙を通して参りましたが、私の意見は入れずに、事実関係のみに限定するように注意を払いながらこれから順次情報を公開していくことに致しました」と投稿。16日には「今回の騒動の全容がやっと見えてきました」と発信している。
20日から21日にかけては、伊豆高原での建設工事で、「前市長は事業者と秘密裏に確約書を結んだ」などと、計画の内容や差し止めに関する訴訟の進捗に関する発言が相次いだ。21日の2本の投稿だけは誰でも返信ができるように制限が解除されており、合わせて800件以上の返信が寄せられた。
利用者の反応には、全国のメガソーラー建設に反対する人からの応援が多く含まれている。中には「自分に都合のいいリプ(返信)がくると想定されるポスト(投稿)だけコメント欄解放」、「東洋大学の卒業証書とされるものを持っていることとどう繋がっているのか全く理解できません」など、冷静な声もみられる。
田久保氏は、学歴詐称の疑惑に対し、市議会の調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問で、議長らに「卒業証書」を「19・2秒、見せた」などと証言。これまでの記者会見でも、事実関係の説明を避けている。
5月に行われた市長選の選挙公報で、田久保氏は自身の肩書を「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会代表」としたものの、メガソーラー問題は4つ挙げた主要な公約に含まれていなかった。全国でメガソーラーの建設に対する反発が高まる中、学歴詐称問題の論点をはぐらかすためにSNSを利用しようとする戦略にも感じられる。自身の説明責任を果たしていない現状では、有権者はメガソーラーの反対運動に取り組んできた実績を手放しで評価することはできない。困惑は広がるばかりだ。(高木克聡)