「平和求め声上げ続ける」 浮島丸事件80年で追悼集会

太平洋戦争終結直後、青森県から帰郷する朝鮮人労働者らを乗せた旧海軍の輸送船が京都府の舞鶴港で爆発、沈没し500人以上が死亡した「浮島丸事件」から80年となった24日、現場を望む同府舞鶴市の公園にある「殉難の碑」の前で追悼集会が開かれた。地域住民や在日コリアンら約330人が黙とうし「共に平和を求める声を上げ続けたい」と決意を示した。
集会では、京都朝鮮中高級学校の生徒が追悼の歌を歌い、爆沈現場の海に花を投げ入れた。主催した市民団体「浮島丸殉難者を追悼する会」の品田茂会長(66)は「残されたままになっている課題を解決する責任が私たちには課せられている」と訴えた。
課題の一つは、犠牲者の遺骨返還。厚生労働省によると、東京都目黒区の祐天寺に安置されており、280柱が返還されていない。
浮島丸を巡っては日本政府が昨年、長年「不存在」とされた乗船者の名簿類を日本のジャーナリストによる情報公開請求に開示した。韓国側にも提供した。開示された資料は氏名などがマスキングされ、全面公開が必要だとの声もある。