日本維新の会の石井章参院議員が秘書給与をだまし取った疑いで強制捜査を受け、党内に衝撃が走った。7月の参院選で伸び悩み、出直しを図った新体制がいきなり冷や水を浴びせられた格好。維新は自民党の「政治とカネ」の問題を厳しく批判してきたが、他の議員が同様の事例を抱えているとの声もあり、幹部らからは危機感が出ている。
「『身を切る改革』が私たちの一丁目一番地だ。(疑惑が)事実なら申し訳ない」。中司宏幹事長は27日、国会内で記者団に陳謝した。
維新は一貫して「改革」を掲げ、既得権に切り込む姿勢をアピールしてきた。企業・団体献金の見直しでも、主要政党で最も厳しい規制を主張。それだけに、党内では「政治とカネにクリーンなイメージはなくなる」(関係者)、「石井氏の議員辞職は避けられない」(幹部)といった声が出ている。
一方、幹部経験者は「似たようなことをしている議員は他にもいる」と明かす。別の関係者も「石井議員だけで終わればいいが」と漏らした。社民党の福島瑞穂党首は記者会見で、「秘書給与の問題がやまないのは残念だ。他にもあるのか維新は調査すべきだ」と指摘した。 [時事通信社]