24歳女性をエレベーター内で襲い、現場には血だまりが…「地元に戻ると悪いことをしてしまいそう」神戸刺殺・谷本将志容疑者(35)が福岡の元職場で明かしていた“歪んだ心情”〈従業員が証言〉

神戸・三宮からほど近い中心部に立つ瀟洒(しょうしゃ)なマンションで事件が起きたのは、8月20日の午後7時20分頃のことだった。
「大手損害保険会社の神戸支店に勤務していた片山恵さん(24)が、自宅マンションで何者かに刃物で殺害されたのです。現場周辺には血の海が広がり、犯人は現場から逃走。兵庫県警は翌日、神戸市内の葺合署に80人態勢の捜査本部を設置しました」(社会部記者)
被害者との面識はなかった
容疑者逮捕の知らせが伝えられたのは、事件発生から2日後の22日の夕刻。場所は神戸市から約380キロ離れた東京・奥多摩町だった。
「殺人容疑で逮捕されたのは、東京・新宿区に住む会社員の谷本将志容疑者(35)。被害者との面識はなかったと見られています」(同前)
この日、谷本は最終の新幹線に乗って捜査本部が置かれた兵庫県警葺合署へ移送された。新神戸駅では終始、両手で顔を隠して歩き、押し寄せたマスコミと野次馬には一瞥もくれず、警察車両に乗り込んだ。
異常とも思える“ストーカー癖”
8月24日、県警は谷本を神戸地検に送検。目下、本格的な取り調べが行われている。
中でも注目されているのは、谷本の異常とも思える“ストーカー癖”である。捜査関係者が語る。
「勤務先の大手損保支店から、片山さんが退勤し、自宅マンションに帰宅するまで、谷本は約50分にわたって後をつけています。途中、電車を乗り継いでも追跡を続け、彼女のマンションのオートロックも彼女の後に続いて突破。そのままエレベーターに2人きりで同乗した際に、突如として片山さんに襲い掛かったのです」
その様子をモニター越しに見ていた別の住人が通報。警察官が駆け付けた時には、片山さんは自室がある6階のエレベーターホールで血を流して倒れていた。
「胸付近を刃物で複数回刺されていて、約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認されました。司法解剖の結果、死因は失血死と推定されています」(同前)
「全く知らない人です」
谷本はマンションの階段を使って現場を離れ、タクシーで新神戸駅へと逃走。新幹線で東京に向かったと見られる。
調べに対し、谷本は「殺意を持っていたかはわからないが、ナイフで刺したことに間違いない」と供述。片山さんについては、「全く知らない人です」と話しているという。
今回「 週刊文春 」取材班は谷本の“血塗られた履歴”をたどった。そして、新たに谷本が2022年12月から福岡県のとある産業廃棄物処理業者で働いていたことがわかった。
「地元に戻ると悪いことをしてしまいそう」と…
谷本が勤務した福岡の会社の従業員が明かす。
「2022年12月に『求人を見た』と電話があり、すぐに働き始めた。その後は2023年1月末まで勤務していました。入社前、うちは産廃業で結構きついので『大丈夫ですか?』と確認すると、『自分は前職で産廃業者に10年ほど勤務していたので大丈夫です』とのことでした。なぜ福岡に来たのかを尋ねると、『地元に戻ると同じような悪いことをしてしまいそうだから』『もう地元には戻りたくない』と」
そして、谷本はこの会社の社長に不気味な「告白」をしたという――。
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8月27日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および28日(木)発売の「週刊文春」では、神戸ストーカー殺人犯・谷本将志の素顔に迫る。新たに判明した勤務先の社長が聞いた谷本の告白、3年前に起こした殺人未遂事件の判決文に書かれていた衝撃の事実、幼少期から見られた「悪癖」とは?
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月4日号)