酒に酔った知人女性を自宅に連れ込んで性的暴行を加え、抑うつ神経症を発症させたなどとして、準強制性交致傷などの罪に問われた東京五輪の空手組手代表、西村拳被告(29)の裁判員裁判の判決公判が1日、大阪地裁で開かれ、伊藤寛樹裁判長は懲役3年(求刑懲役6年)を言い渡した。
被告は知人女性=当時(25)=と2人で長時間飲酒した後、令和4年11月19日未明と朝の2度にわたり、自宅で性的暴行をしたとして起訴。未明については被告がスマートフォンで撮影した動画が残っていた。
検察側は、女性は当時「高度の酩酊(めいてい)状態」で抵抗したり、拒んだりできなかったと指摘。被害翌日に友人に打ち明けた後、警察に相談したという被害申告の経緯は自然で、証言内容も信用できると指摘した。
一方で弁護側は「女性からの好意を感じていた」と主張。女性は飲酒後に嘔吐(おうと)していたが、意思疎通はでき、未明の性行為には同意があったと訴えた。朝には行為自体がなかったとした。
西村被告は2021年東京五輪の空手組手男子75キロ級代表。端正な顔立ちから「空手界のプリンス」と呼ばれることもあった。