青木被告「黙秘します」=刑事責任能力など争点―4人殺害で初公判・長野地裁

長野県中野市で2023年5月、住民女性と警察官の計4人が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた青木政憲被告(34)の裁判員裁判の初公判が4日、長野地裁(坂田正史裁判長)であった。青木被告は罪状認否で「黙秘します」と答え、弁護人は本人の意思を尊重し、起訴内容や刑事責任能力について「争う」と述べた。公判では責任能力や量刑が争点となる見通し。
検察側は冒頭陳述で、青木被告が事件の約1年前から、自宅付近を散歩する女性2人が「(独り)ぼっち」「きもい」などと話していると妄想を抱いたと指摘。事件当日も2人を見かけ激高して殺害した上、駆け付けたパトカー車内に発砲するなど警察官2人を殺害したとした。被告は当時妄想症を患っていたものの、直接的な影響はなく完全責任能力があると主張した。
一方、弁護側は、青木被告は統合失調症の影響で心神耗弱状態にあったなどと反論した。
検察側は証拠調べで、青木被告が凶器の大型ナイフを同年4月にインターネットで購入し、事件2日前に鋭利に研いで両刃にしたと明らかにした。 [時事通信社]