東京・お台場に来年3月完成予定の世界最大級の噴水「お台場ファウンテン」。“お台場活性化の起爆剤になる”という期待とともに、批判の声も上がっています。
◇
東京・お台場海浜公園。
記者
「土砂をかき出しているのでしょうか。クレーンを使って土が運ばれていきます」
工事が進められているのは…
東京都が整備する「ODAIBAファウンテン」。
噴射ノズルをおよそ500基設置し、高さ150メートル、横幅250メートルの世界最大級の噴水となる計画です。
都によると、整備費用の総額はおよそ26億4000万円、維持管理費は年間1億5000万円から2億円となる見込みですが…
東京都港湾局臨海開発部・金子雄祐さん
「都民の税金ではなくて、臨海地域の埋め立て地の売却や貸し付けによる収入を財源として整備」
財源について、都は、税金ではなく、土地の売却益などを活用するとしています。
ただ、一部の都議は“埋め立て地とその売却益は都民の財産”などと追及。このほかにも、計画決定までの経緯などをめぐり論争となったものの予算は成立しました。
◇
では、なぜ、“お台場に噴水”なのでしょうか。
東京都港湾局臨海開発部・金子雄祐さん
「臨海副都心のプレゼンス向上とさらなるにぎわい創出に向けた起爆剤として、新たなランドマークとなる 噴水を整備」
お台場を中心とする臨海副都心の来訪者は、2015年をピークに減少。コロナ禍を経て、現在、回復しつつあるといいますが。
デックス東京ビーチ・桑原克典総支配人
「一番にぎわっている時と比べると、やはりまだまだ」
こう話すのは、来年、開業30周年を迎える商業施設「デックス東京ビーチ」。
地元企業でつくられる協議会でも、噴水を活用した集客について検討しているといいます。
デックス東京ビーチ・桑原克典総支配人
「(噴水は)環境デザイン的にも非常にありがたい取り組み。最高潮の時代のにぎわいを創出したい」
◇
噴水が選ばれた理由のひとつは「東京のナイトタイムエコノミーの活性化」です。
これまでにも、プロジェクションマッピングを導入したり、タイ・バンコクで夜の観光資源を視察したりしている小池知事。
3年前にお台場で実施した噴水イベントが好評を得たことや、音楽と光の演出でエンターテインメント性に優れていることが噴水の決め手になったと説明しています。
地元住民
「(大観覧車など)ぱっと見て、お台場っていうのがなくなっちゃった。そういう面では大歓迎です」
地元住民
「ひとつの目玉になるのは、すごく良いことだなって思う。子供も多い地域なので、あまり人が増えすぎるのもどうかな」
地元住民
「それはほかに任せて、東京都はもっとほかにやることがあるんじゃないかな」
地元住民
「地域が活性化することで、どうめぐりめぐってプラスになるかは、これから我々も判断していかないといけない」
◇
東京都・小池知事
「世界に対してのアピールや、もちろん都民の皆様方、子供さんにも楽しんでいただけるようなスポットになることを期待」
都は、年間およそ3000万人が観覧し、その経済波及効果はおよそ98億円と試算。噴水は起爆剤となるのか。完成は来年3月末の予定です。