長野県塩尻市は、来春入庁する職員の採用試験(後期日程)で、対話型のAI(人工知能)面接システムを試験導入する。AI面接官が応募者に強みなどの基本的な質問を行い、それを分析して一人一人に最適な問いかけを重ねる。応募者の魅力を引き出すことなどが狙いで、合否判定には使用しない。来年度行う職員採用試験から本格導入を目指している。
導入するのは、東京のIT企業「ZENKIGEN(ゼンキゲン)」のAI面接システム「harutaka AI面接」。
従来は、1次試験(筆記試験)後、2次、3次試験で対面面接を行ってきた。限られた面接の時間を有効活用するため、今月7日に行う1次試験の合格者に対してAI面接を追加する。
面接では、AI面接官が応募者に自分の強みや挫折や失敗の経験などについて質問。返ってきた答えを分析して、応募者の魅力を引き出すようなより踏み込んだ質問をしていく。
面接後には「チャレンジ精神」「主体性」「協調性」などが回答にどう表れたかが評価され、改善点などが示される。応募者の気づきや成長につながるという。応募者は納得がいくまで面接を受け直すことができる。
同市は、採用手続きを完全オンライン化したり、性格診断テストに代わってAIによる感情解析を導入したりするなど、先端的な取り組みを進めている。
市総務人事課の嵯峨将太主任は「『受験者ファースト』で進めている取り組みの一環。最先端の技術を活用することでアンテナの高い受験者の関心を引くことができ、双方にとってメリットがある」と話している。