2年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガース。一昨年の優勝時には、パ・リーグでも在阪のオリックスバファローズが優勝したこともあり、大阪、兵庫の両府県で優勝パレードが行われ、約100万人が楽しんだが、今年の開催はどうなるか。阪神の優勝を祝いつつも、両府県の知事の反応は異なったものとなった。
大阪府の吉村洋文知事は優勝が決まる前の3日、前回のパレードについて、「よかったと思う」と振り返ったうえで、「たどり着くのは大変。よく考える」と述べるにとどめていたが、優勝が決まった翌日の8日には一転。「プロ野球史上最速優勝ですし」と、パレード実施の意向を示した。時期としては日本シリーズが終わった11月以降としたが、「仮に日本一にならなかったら」と報道陣に聞かれると、「なります! なるように応援する」と力強く話す場面も。
一方で、これまで「警備費用の高騰などを踏まえ、県としてのパレード開催は慎重に検討していく」と開催には否定的な考えを示していた兵庫県の斎藤元彦知事。
優勝翌日の8日、予定になかった取材機会を設けたものの、集まった報道陣に対しては、これまで通りの答えに終始した。「大阪はやるが」との報道陣の問いかけに「祝意の表し方としてはその時その状況でふさわしい形でやることが大事」と述べるにとどめた。
前回の優勝パレードを巡っては、不要な補助金支出で兵庫県に損害を与えたとして、斎藤氏らが背任罪で告発されており、兵庫県警は今年6月、捜査結果をまとめて神戸地検に送付するなどさまざまな問題が発生。斎藤氏の慎重姿勢にはそのような問題も背景にあるとみられる。