党内の「石破おろし」に屈し、辞任の意向を示した首相。引導を渡したのは、あのコメ大臣だった。捲土重来を期し、次期総裁選の主役のひとりと目される永田町のプリンスだが、彼の周囲を取り囲む女性たちもまた存在感を発揮して──。
「すでに林芳正官房長官(64才)や茂木敏充前幹事長(69才)らが、出馬を表明しました。前回は9人が立候補しましたが、今回も小泉進次郎農林水産相(44才)や高市早苗前経済安保相(64才)、小林鷹之元経済安保相(50才)らの出馬が有力視されています。
選挙戦は高市氏と小泉氏を中心に展開するとみられていますが、前回の決選投票で石破首相を推した勢力を結集することができれば、林氏もかなりの票を集める可能性があるでしょう。党員票がどの候補に集まるかも勝敗を左右しそうです」(自民党関係者)
9月7日に開かれた、石破茂首相による急転直下の辞任会見。諦念の表情を浮かべながらも、時に震える声で政権運営を振り返った石破首相。この瞬間、自民党総裁選の火蓋が切られた。有力候補の筆頭は、やはり小泉氏だ。
「7月の参院選での敗北以来、石破首相の求心力は大きく低下。それでも、首相周辺は『解散総選挙に打って出るべきだ』という”主戦論者”が多く、自民党は分裂の危機に瀕していました。石破政権の一員でもある進次郎氏は、総裁選への再チャレンジの思いを秘めながらも、『(首相から)恨みを買ってはいけない』と考えていたそうです」(全国紙政治部記者)
念頭にあったのは、16年前の石破首相の姿だった。
「2009年当時、麻生政権の農水大臣だった石破氏は、地方選で自民党が大敗した責任を取るべきだとして、麻生氏に公然と退陣を要求。この行動が、『政権の一員でありながら、後ろから弓を引いた』と、いまも麻生氏が石破氏に恨みを抱く要因になっています。進次郎氏は、このときの石破氏に自身を重ね、『裏切り者とは呼ばれたくない……』と悩んでいたのです」(前出・全国紙政治部記者)
前回の総裁選では本命視されながら失速を経験した小泉氏。この間は党内での”修行”に力を尽くした。
「失言で前任者が更迭された農水相就任に際しては、未曽有の価格高騰に悩むコメの問題に取り組む姿勢を鮮明に打ち出し、自ら”コメ大臣”を自称しました。大型選挙では、応援演説に奔走し、”党の顔”としての役割に奮闘。その働きぶりは、党内の長老たちからも『彼はよく汗をかいている』と覚えがめでたく、評価が高まっているのです」(前出・自民党関係者)