自民党埼玉県連幹事長の小谷野五雄県議(69)が、県連の党費を私的流用した疑いで役職の一時停止措置を受けた問題で12日、小谷野氏が会見を開き、「私的に使うなど一切ない」と述べ、流用を否定した。疑惑を受けた原因として県連事務局のミスとし、今後は領収書のチェック体制を変えていくとした。
小谷野氏は会見の冒頭、「今回の件で県民の皆さまにご心配をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」と陳謝。一方、疑惑を招いた原因として、「事務局が領収書をちゃんとチェックしてくれていると思っていた」などと述べた。
小谷野氏によると、幹事長に就任した令和元年、幹事長の経費をそれまでの渡し切りから領収書による精算に変更。以降は事務局に行った都度、自分で確認することなく領収書を事務局に渡していたという。
小谷野氏は疑惑を招いたものについて、「混入していた日用品などの領収書が、事務局ではじかれずに精算されたもの」との見解を示し、「意識的なものではない」と強調した。
小谷野氏によると、流用疑惑は7月末に衆院議員の柴山昌彦県連会長(59)から呼び出しを受けて指摘された。この席上、疑義があるとされたのは100万円弱で、8月末には返済のために県連に持参したが受け取りを拒否され、その後供託したという。
また、幹事長職の一時停止措置については受け入れておらず、今後の調査については「公平性、中立性、客観性のある第三者委員会なら全面的に協力する」とした。
小谷野県議は幹事長在職中に、女性用バッグやキャットフードの購入費などの領収書を県連に提出していたことが指摘されており、県連は調査委員会を立ち上げて2~7年に提出された約2千900万円分の領収を調べている。