県教育委が元生徒に約900万円賠償で和解へ 盛岡農高ハンマー事故

岩手県滝沢市の県立盛岡農業高校で2020年の部活動中にハンマー投げのハンマーが生徒に当たった事故で、県教育委員会は16日、負傷した元生徒に約900万円の損害賠償金を支払って和解する方針を発表した。和解する理由について県教委は「事故を防ぐ設備などに不備があり、学校は事故の可能性を予見できたが、安全への配慮を怠った」と説明している。
県教委などによると、事故があったのは20年9月。陸上部の男子生徒がハンマー投げの練習場から投げた陸上競技用ハンマー(重さ約6キロ)の鉄球部分が、約20~30メートル離れたテニスコートにいたソフトテニス部の男子生徒の頭に当たった。練習場とテニスコートの間は金網で隔てられていたが、ハンマーは金網を越えていったという。
負傷した生徒は病院に運ばれ、一時意識不明になった。現在、日常生活に大きな支障はない状態だという。複数いた陸上部の顧問は、事故当時不在だった。【山田英之】