建物に侵入した男が、現金が入った包みをズボンの中に押し込んでいます。男は、ヒッチハイクでお世話になった人たちへの窃盗を繰り返していたとみられています。
今年6月、千葉市内の防犯カメラがとらえたのは、半袖半ズボン姿の“不審な男”。手にしたのは、銀色の包み。店の売上金が入っています。
男は、現金が入った包みをズボンの中に押し込み、Tシャツで隠しました。
映っていたのは、青木リキ被告(28)。8月に窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕されました。
被害にあったのは、キッチンカーなどを手がける会社の事務所。代表の男性は、少なくとも4回侵入され、売上金を50万円以上盗まれたと訴えていて、この男の顔に見覚えがあるといいます。
被害に遭ったプルーブライフ 山本新一代表
「段ボールで“木更津”の看板を掲げて立ちながら、ヒッチハイクをしていた青年。『乗っていいよ』と拾いにいった」
去年12月。千葉市でヒッチハイクをしていた青木被告を車に乗せ、その後、意気投合。青木被告は「寝床がない」と言って、会社の倉庫で寝泊まりしていただけでなく、時にはキッチンカーでの作業を手伝い、社員旅行にまで参加していたといいます。
被害に遭ったプルーブライフ 山本新一代表
「明るくていいやつ」
約半年後。
青木リキ被告(28)
「ありがとうございます。行ってきます」
被害に遭ったプルーブライフ 山本新一代表
「別れのときは、僕も涙が滝のように流れてきそうだったので」
別れから1か月半後。再び戻ってきた青木被告。
──防犯カメラ見たとき、どう感じましたか?
被害に遭ったプルーブライフ 山本新一代表
「いや!お前かよっていう」
なんとか捕まえようと店で待ち伏せしますが…。
被害に遭ったプルーブライフ 山本新一代表
「おまわりさんと僕で彼を追いかけて、正直、彼の逃げ足の方が速くて(逃げられた)」
7月5日に千葉市で逃走した青木被告。その後、三重県や和歌山市でもヒッチハイクをしていました。
青木被告を車に乗せたという和歌山市に住むカップルは、一緒に焼き肉を食べ距離が縮まり、そのまま1週間自宅に泊めることに。
青木被告を1週間自宅に泊めた 和歌山市在住のカップル
「晩ご飯作ってくれていた。パスタやマグロの漬け丼」
1週間後、次の行き先だという神戸まで送ったといいます。
“窃盗ヒッチハイカー”の存在を知り、自分たちも被害にあっていないか確認したところ…。
和歌山市在住のカップル
「貯金箱から5000円とられているのは確認できたから、やばいなと」
合わせて2万5000円がなくなっていることに気付いたといいます。
その後、青木被告と合流し、隙を見て110番通報。警察が逮捕しましたが、容疑は2年前に青木被告が勤めていた精肉店で、売上代金約6万円を横領した疑いでした。
そして先月、千葉市にある会社に無断で侵入し売上金を盗んだ疑いで再逮捕された青木被告。その後、建造物侵入罪などで起訴され、捜査当局は窃盗容疑についても捜査を続けています。
(9月15日放送『news zero』より)