斎藤元彦知事の不信任、全会一致決議から1年…支持・不支持で割れる県議会

兵庫県議会が斎藤元彦知事に対する不信任を全会一致で決議してから、19日で1年となる。18日に開会した9月議会で、各会派は斎藤氏とどう向き合うのか。読売新聞が全6会派の代表者にアンケートを実施したところ、斎藤氏への支持・不支持は割れた。

アンケートは今月3~16日、会派の代表者を対象に書面や対面で実施した。
斎藤氏を支持するかどうかについては、第2会派・維新の会(18人)が「どちらかといえば支持する」、躍動の会(3人)が「支持する」と答えた。斎藤氏は昨年11月の知事選で再選されており、維新の佐藤良憲幹事長は「民意を尊重する」と強調。躍動の増山誠幹事長は「県政がしっかり前に進んでいる」とした。
「支持しない」と答えたのは、立憲民主党県議らでつくる「ひょうご県民連合」(8人)と共産党(2人)。県民連合の上野英一幹事長は、内部告発問題を調査した県の第三者委員会が今年3月、斎藤氏の10件の行為をパワハラと認定したことなどに触れ、「上に立つ人間ではない」と指摘した。共産の庄本悦子団長は「知事としての資質も資格もない」とした。
最大会派・自民党(36人)と第3会派・公明党(13人)は、「どちらともいえない」と回答した。公明の越田浩矢幹事長は「再選は重く受け止める必要があるが、県政の混乱や世論の分断が続いている」とした。
斎藤氏は知事選後、議会との関係修復に取り組む考えを示していた。実際にコミュニケーションが改善されたかを尋ねたところ、「改善した」と回答したのは躍動のみで、県民連合と共産は「悪化した」と答えた。自民も「改善していない」とした。

18日に開会した9月議会では、各会派が斎藤氏にどのような姿勢で臨むのかが注目される。
斎藤氏に辞職を求めるべきかどうかを尋ねたところ、県民連合と共産は「求めるべきだ」、維新と躍動は「求めるべきではない」とした。
斎藤氏は知事選で選挙運動の対価を支払ったとして公職選挙法違反(買収)容疑で刑事告発され、神戸地検が捜査している。公明の越田幹事長は「捜査結果も踏まえた判断が必要」とし、辞職を求めるかについては「どちらともいえない」と回答した。自民の谷口俊介幹事長は「司法の場で扱われている事案もあり判断できない」として無回答とした。
9月議会では、知事の給与カットの条例改正案も焦点となる。県の第三者委が5月、前総務部長が告発者の私的情報を県議3人に漏えいしたと認定したことを受け、斎藤氏は責任を取り、給与カットの割合を3か月間、現行の30%から50%に引き上げる条例改正案を6月議会に提案。継続審議となっていた。
アンケートでは、自民と維新、公明の第1~3会派がそろって条例案への態度を「未定」と回答。可決の見通しは立っていない。
斎藤氏は18日の本会議終了後、記者団に「議会側でも様々な意見があると思う。真摯(しんし)に受け止め、引き続き議会側とのコミュニケーションの強化を図っていきたい」と話した。