インフル早くも流行入り…万博などでインバウンド増、「異常な暑さ」でエアコン生活も影響か

冬場に流行する季節性インフルエンザの感染者が、早くも増え始めている。大阪府などでは定点医療機関から報告された1医療機関あたりの患者数が、流行入りの目安となる「1人」を超えた。専門家は「大阪・関西万博や観光地に訪れる外国人、海外に渡航する日本人が多く、ウイルスが国外から流入している可能性がある」と指摘している。(長尾尚実)
季節性インフルエンザは国内では例年、12~3月に流行する。昨年は10月下旬以降に全国で本格的な流行が始まったが、今年はそれより早く感染が広がっている。
厚生労働省によると、直近の9月21日までの1週間に報告された大阪府内の1医療機関あたりの患者数は1・05人で、今季初めて1人を超えた。全国で1医療機関あたりの患者数が1人以上となったのは、京都府や福岡県、東京都など計11都府県に上る。
りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)の倭(やまと)正也・感染症センター長によると、海外では1年を通じてインフルエンザの感染者がいる地域もある。今年は万博開催などにより、インバウンド(訪日外国人)が昨年より2割ほど多い。海外に出かけた日本人も増えており、海外からウイルスが持ち込まれている可能性がある。
また、今夏の異常な暑さも影響しているとみられる。エアコンをつけたままで換気をしないと、室内にウイルスがとどまりやすくなるためだ。
倭医師は「こまめな手洗いやせきエチケットといった基本的な感染対策が大切だ。インフルエンザのワクチンも早めに接種してほしい」と話している。